黒♭のBLOG

海外在住を通じて日本を客観的に見ることができています。その時々で考えていたことを、自分自身の考えの記録として残せればと思います。

引き籠り体質が日本を後進国にする

先ほどNHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」を観た。グリーン・エネルギーの分野でもまた同じことを繰り返しているのか!情けない。

技術開発の初期には世界を先行していながら、市場が立ち上がったときには日本企業の名前はそこにない、ということが多々ある。ロボット、量子コンピューター、AI、VR有機EL...。色んな分野で全く同じことが起きている。

こうなるともう企業だけの問題とは言えない。日本社会全体の問題と捉えた方がいい。

理由はいろいろな側面から考えられると思う。

一つは「引き籠り」体質だろう。その引き籠り体質の元凶は勉強を怠った経営者である。

彼らは日本経済の成長期にキャリアを積んで来た。その成長への道筋を真剣に自分の頭で考え実行した世代をボスに持ち、彼らボスの言うことさえ聞いていれば良かったのである。自分でリスクを負う必要などなかった。ある特定の分野で優れた能力を発揮していれば、他の分野のことを勉強する必要などなかった。何かを新しく始めるときは日本で小さく始め、リスクを最小にし、もし上手くいったら世界に展開すればよかった。お客様の言うことを忠実に守り、期待通りの仕事をすることに注力すればよかった。とにかくリスクを最小にすることがビジネスでの鉄則だった。彼らの成功体験だ。

とまぁここまで書いて、やっぱ思うよ。
チキン野郎め!
と。

恐らく彼らチキンの頭の中には、三洋、東芝、シャープ、ジャパンディスプレイ、タカタなど失敗したと言われる企業の名前がちらちらしてることだろう。一方で、阿里巴巴、華為、海爾などの海外メーカーが一番先に頭に浮かぶことはないようだ。

良く言われることだが、異業種からの参入ほど怖いものはない。だって業界の常識は彼らには通用しないんだから。ゲーム・チェンジをされちゃうんだから。iPhoneNOKIAを駆逐した例があれば、説明としては十分だろう。

こんな時代にあって、できるだけリスクを取らない戦略が最適とはどうしても思えない。反対の立場から見ればこの状況は千載一遇のチャンスなのに。日本企業が引き籠っている間に米国・欧州・中国にぜーんぶ美味しい所を持っていかれて、おこぼれを頂戴するだけのビジネスをしたいのなら、どうぞどうぞ。そんな後進国に成り下がりたいなら、どうぞどうぞ。

こんな「引き籠り」体質の日本を何とかしたい!
本気でそう思ってる。
共感してくれる人が一人でも増えればいいなぁ。 

日本を客観的に見るべく、私はいま海外企業に属し海外で働いている。勉強中、修行中、そんな感じ。その経験上感じていることを素直に書ければ、と思う。

黒♭