黒♭のBLOG

海外在住を通じて日本を客観的に見ることができています。その時々で考えていたことを、自分自身の考えの記録として残せればと思います。

「コア技術」って言葉、だいっ嫌い!

 

「コア技術」って言葉、だいっ嫌いだ!

「コア技術」とは、企業の核心となる技術のことで、この技術があるから商売できるってもの私見)。

何が嫌いかって言うと、往々にして、既有「コア技術」との近さ・遠さが新たな技術の開発または商売を始める際の判断基準になってしまうってこと。

既存「コア技術」を判断基準に使う愚かさは、企業創業時のことを想像したら分かる。創業時に明確に「コア技術」に拘っていた企業なんて一体どのくらいあったのか。近年のベンチャー企業であっても割と成功している所は当初の「コア技術」にあまり拘らず、そこから派生的に産まれたビジネスで成功していたりする。一方、大学系のベンチャーに特に多いのは「コア技術」に拘ってビジネス規模の拡大を図れずに資金難に陥るというケース。

今世間を見渡して、所謂「コア技術」と思える様なものを持っている企業は下の3タイプに分類できると思う。

  1. キャッシュフローが極めて良いため、既有「コア技術」への圧倒的な投資を継続でき、結果的に他社を寄せ付けない。
  2. ビジネスの規模が投資規模の割に小さい(ROIが小さい)市場のため他社が参入しづらく、既存「コア技術」の競争力維持が簡単。
  3. 「コア技術」が属人的過ぎて他社が真似できない。

(3.を除いて)これって「コア技術」で商売できていると言えるのか?結果的に商売できているから「コア技術」に追認されたってだけに過ぎない。

経験上、ある技術が商売になるかどうかは各種戦略 ー技術開発戦略、生産戦略、販売戦略、等々ー 次第だと知っている。技術なんてその戦略の主要パーツの一部に過ぎない。

私は根っからのエンジニア・開発者なので技術(テクノロジー)に携わるのは大好きだが、技術が強いから金になるなんて勘違いをしたことは一度もない。

商売になるんなら何でも良いよねが一番正しい経営方針と思うが、そうしてしまうと勉強したくない経営者はついてけないもんね。「コア技術」という言葉で縛って、頭を使わないで済む経営判断をしているに過ぎない。一方、中国ではその真逆を実践してるんだがな。(もちろん最低限、社会正義は守って欲しいとは思うが。)どうして日本がデフレ経済を脱却できないのか、政府・経営者は真剣に考えて欲しい。

つーか、「コア技術」って言うのを今すぐやめろ!

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くどくて申し訳ないが、「コア技術」が先ずありきじゃなくて、商売できてるから「コア技術」なんだってば!

あー溜まってんなー。

黒♭